またさっきの民家に戻ってきた。
夜は明けた。
ものすごく疲れているが眠ることはできない。
「なんで、俺たちこんなことしてんだろ」
「・・・知らない」
八角のモニターが何度か鳴っていた。
また。
もう何も見る気にならなかった。
「ねえ、ほんとに地球はなくなっちゃうのかな」
「さあ」
「朝の言ってることが本当かどうかわからないしね」
「ただもし地球が残ってるんだとしても」
「俺たちは何をすればいいんだ」
大切な仲間を失って
大好きな部活がなくなって
人の死を知ってしまって
なにをしろというのだろう
* * * * * * * * *
保志は放心状態のまま歩いて、学校に辿り着いていた。
昇降口から土足で入り、部活に行くときのように中央階段を上る。
気がついたら
あやが
横で死んでいた。
歩いていたら
藤崎とひびきが死んでいて
俺は
美貴を殺した。
無意識に。
「けいちゃん」
3階に辿り着いて、ホールに向かおうとすると声をかけられた。
「よしき」
「やった!けいちゃんがいるなら百人力ですよ!オレこっちに基地置いてるんで来てください♪」
自分がいた部屋へと招き入れる。
保志は
ドアのところで立ち止まった。
銃器と、その部屋の窓から見える紅。
いくつかの、塊。
放心状態でその状態に気づかなかった自分に驚いた。
「見てくださいよこれ!本物ですよ」
本当に嬉しそうに話し出す関口。
「やっぱり本物は違いますよねー♪」
「お前・・・まさか」
「はい?」
「あれ・・・」
外を指さす。
「ああー・・ちょっと弾使いすぎちゃったんですよねー。
さっきの、えっと伊勢かな?伊勢は綺麗にいけました!
でもいいッスよ!
やっぱり血って
綺麗ですよねえ」
うっとりしたような関口の笑顔に寒気がした。
思わず、一歩退く。
「え?なんすか?」
「オレ無理だわ」
「どういう事すか?」
「お前と一緒にだけはいられない」
「・・・?なんでですかー。けいちゃんいれば最強なのにー」
「お前、朝の言ってた新世界、とかに行きたいの?」
あー、と思い出したように言うと、関口は少し考えて
「いや、特に興味は
オレはただ、血が見たいんですよ。
新世界は、おまけです」
保志は教室を出ようとした。
「どこいくんですか」
がしっと関口は保志のうでを掴む。
「逃がしませんよ。オレとあなたはもうチームなんです」
「オレは、もう、嫌なんだよ」
関口は手を離した。
ベルトにさしてあった銃を構え、
「じゃあ、死んでください」
引き金をひいた。
「あーあ」
綺麗に一発でしとめた喜びと、保志を仲間にできなかった残念さで変な気持ちになっていた。
「けーちゃんいたら100%優勝だったのに」
廊下にころがった保志を移動しようと保志の片に手を置いた、そのときだ。
涙がでてきた。
「ん?」
止まらない。
「なんだこれ」
今までの記憶が、走馬燈のように再生された。
あれ、オレ、死ぬ分けじゃないのに。悪いこともして、ないよな。
とりあえず保志の死体を自分のいる部屋の向かいのホールに入れて、廊下に座った。
「よしきー?」
体育座りで座っていると、名前を呼ばれた。
大川美岬だった。
「なに」
「いや、また泣いてんのかとおもって」
「いや、ちょっと気持ち悪いだけ」
「ふーん」
「じゃ」
「え?」
大川を撃って
また、泣いていた。
候補者残り5名
* * * * * * * * *
「極先輩」
小橋は浅田に話しかける。
「なに?」
気持ち悪い極先輩にも慣れて、むしろ元々こうだったような気がしてきた頃、
僕はさっきから考えてたことを口にした。
「よしき、大丈夫ですかね」
「ん?」
「あいつ、後になって後悔するタイプですから」
「ああ」
「俺たちで、止められないですかねあいつ」
お前は止まらないだろうから
「せめて、オレが殺します」